◆◇ 海流・気流 ◇◆
港湾空港タイムス 第1111号  2008/6/16


 旧日本軍の慰安婦問題を取り上げたNHKテレビの放映内容について、取材を受けた市民団体が、当初説明を受けていた趣旨と異なる内容になったとしてNHKを訴えていた問題で、最高裁は一、二審を覆して市民団体側の訴えを退けた。同裁判については、一審判決後に朝日新聞が「自民党議員の圧力が番組改変につながった」と報道、NHKが党の意向を忖度し、内容が歪められることにつながったとしていた。
 ここで問題がいくつかある。まず、マスコミとの対応で一般に言われるのは、取材は受けたけれども、恣意的な内容に作り変えられ、あるいは都合の良い部分だけ借用されて報道されてしまう、という点である。マスコミは予め結論を作っておき、取材先の話をその空間にちりばめている、という批判である。しかし、普通の場合、その真意が伝わっていないことについて訴訟にまで発展することは稀である。今回の最高裁判決を待つまでもなく、マスコミ側が最終的にどのような内容にまとめ、放送するかは、これまでもマスコミ側の裁量に委ねられている。しかし、今回の本当のところは、NHKと市民団体とが事前にストーリーを作っておき、その方向で放映する予定だったが、当時の安倍晋三官房副長官と中川昭一議員からの意見を受け、市民団体側からみれば、報道が捻じ曲げられた、という思いが訴訟につながったということであろう。ここで問われるのは、市民団体側は、一方でマスコミの表現の自由を言いながら、自らにかかわることでは、マッチレースのハズだった内容が自分たちの趣旨にそぐわなかったとして怒るという、大きな矛盾を犯していることである。
 慰安婦問題については、「旧日本軍が直接かかわっていた」などとする現実にない捏造が跋扈し、中国側のロビーストらの主張が米国や欧州の議会を動かして、日本を弑する運動につながっている。安倍議員らの意見を待つまでもなく、NHK受信料を払っている一国民として、誤った報道を恣意的に放映してもらっては困るのである。


発行元:株式会社都市計画通信社
HP:http://www.cpna.co.jp

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