◆◇ 海流・気流 ◇◆
港湾空港タイムス 第1126号  2008/10/06


 米サブプライムローンの破綻は米国内にとどまらず、世界的な大恐慌の様相を呈してきた。我が国の貿易を支えてきた自動車も、米国での販売台数が各社とも前月比で2桁の落ち込みになり、産業の将来動向の指標となる工作機械受注も急激に縮小し、我が国工作機械メーカーは相次いで減産体制に入った。米国では新たな金融政策を相次いで打ち出しその都度、ニューヨーク・ダウ平均株価は若干の持ち直しをみせるものの、翌日には前回の底値を割る悪循環が繰り返されており、先行きへの不安はさらに高まりつつある。
 しかし、こうした経済不安は、実はたいした問題ではない。極貧に戻ればよいだけの話である。今回の金融恐慌で一番恐れるのは、その次に起こるであろう世界的な軍事バランスだ。米国ではマケイン共和党、オバマ民主党のいずれが大統領になろうとも、経済対策が緊急の課題になり、その結果極度の対外的な縮小が行われることになるだろう。マケイン氏は中東での対テロ防止活動継続を公約しているが、国内経済の不安が続けばそれどころではなく、世界の警察としての役割の幕引きにつながる可能性がある。
 今、我が国では米横須賀基地の原子力空母をめぐって、連日「母港基地化反対、米軍は出て行け」などと気勢をあげている団体がいるが、今後はそうした団体も用がなくなるだろう。そして、自国は自らで守らなければならない時代が必ずやってくる。国として当たり前のことだが、我が国はそれがタブー視され、これまで米国におんぶに抱っこされ守られてきている。
 この平和の時代に誰と戦うのか、日本を攻めてくる国がいるのかどうかなどといっているのは甘い。中国で今建造が進んでいる原子力空母はハワイ以西の太平洋を、米国の衰退に代わって肩代わりする。米軍出て行け、などとシュプレヒコールをあげて喚いている人たちはやがて自ら、あるいは彼らの子供たちが人民解放軍と戦う破目になることが分かっていない。それとも大粛清の後に、彼らの思うがままに追い使われることに甘んじるか、そのいずれかである。



発行元:株式会社都市計画通信社
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