東京三菱 ガス排出ゼロに! 見返りに排出権取得
投稿者:事務局 /05/03/03
 東京三菱銀行は二酸化炭素(CO2)温暖化ガスの排出量を実質ゼロにする方針を決めた。まず本店ビルの排出量を大幅に削減し、残りの排出ガスも途上国のガス削減事業に資金提供する見返りに排出権を取得して相殺する。日本の金融機関で排出量ゼロを目指すのは初めてという。排出権を活用した金融商品の開発も検討、地球環境問題への対応を強化する。

 先進国に温暖化ガス削減を義務付ける京都議定書はすでに発効している。日本は2008-12年に1990年比で6%削減する義務を負い、産業界の対応が急務になっている。金融機関はメーカーなどと比べて排出量が少なく対策が遅れている。東京三菱銀の対応を機に、ほかの金融機関も対策に乗り出すとみられる。
 東京三菱銀行はまず2005年中に東京都千代田区にある本店ビルの温暖化ガスの排出量を実質的にゼロにする。その後、排ガスゼロの対象をシステムセンターなど大型施設にも拡大、数年間かけて全施設でゼロをめざす。10月のUFJ銀行との合併後は、UFJ銀の施設も含める見通しだ。
 本店ビルの温暖化ガス排出量は炭素換算で年間約10万トン。屋上の一部緑化や雨水の再利用、冷水器の撤去などで排出量を2010年度までに2003年度比で3.5%減らす。削減してもなお残る排出量は同程度の排出権を数千万円で取得して穴埋めする。
 排出権の取得は京都議定書で定めたクリーン開発メカニズムを活用する。これは国連が認定する途上国の省エネルギー事業などに協力すると、自国や自社の排出権に組み入れて排出量を削減できる仕組み。東京三菱銀はこれを使って毎年「排ガス実質ゼロ」を達成する計画だ。
 資金提供先の事業はこの分野でノウハウが豊富な三菱証券に紹介してもらう。対象になる事業はタイのもみ殻発電など。クリーン開発メカニズムを利用すると、2008年を待たずに排出権として認められるため、早めに自社の排出権を確保しておき、あまれば将来は転売することも視野に入れている。
 排出権を使った金融商品の開発も検討している。預金金利の一部を途上国の省エネルギー事業に回す「排出権付き定期預金」や投資信託の一種として排出権に投資する「排出権付きファンド」が有力だ。富裕層や個人投資家にも温暖化対策への協力を求める。
 自社で排出する温暖化ガスを実質ゼロにする対応は「カーボンフリー」と呼ばれ、日本ではリコーが着手している。東京三菱銀は近く国際認証の環境ISOを取得する見通しで、10月に新銀行「三菱東京UFJ銀行」に衣替えした後も、環境対応を企業の社会的責任(CSR)の最重要課題と位置づける。


   東京三菱銀の環境対応
▽ 排出温暖化ガスを実質ゼロに
・ 途上国の省エネ事業に資金協力して排出権取得
・ 本店ビルの屋上一部緑化、雨水再利用、冷水器撤去
▽ 融資上の配慮
・ 審査の際に環境への負荷を考慮しているかの点検項目を新設
▽ 省エネ事業を活用した金融商品
・ 預金金利の一部を途上国の省エネ事業に回す「排出権付き定期預金」    
・ 投資対象の一部に排出権を組み込んだ「排出権付きファンド」
▽ その他
・環境ISOの認証取得