007 海上航路と空中航路 2004/02/13


船舶の航路と滑走路の関係がいろいろと取りざたされているところですが、羽田のケースとは異なりますが、
両者の関係について少しおもしろい話があるのでお届けします。
バンクーバー訪ねてみると目にすることですが(ここだけに限らず、カナダではごく一般的なことだと思い
ます)、バンクーバー港では港のメイン航路(付近?)を水上飛行機(カナディアンロッキーや対岸のヴィ
クトリア島を結ぶ飛行機)の滑走路として利用しています。
また、ヴィクトリア島では、観光船や市内を結ぶ超小型のフェリーが行き交う航路を、
信号機の管理だけで
水上機の滑走路として使用していました。
私が訪ねたときも、バンクーバーではクルーズ船が出航した数分後に小型の水上飛行機が離陸していました。
海外では、
利用者の利便にあわせて合理的に管理しながら運用することが常識になっているのではないでし
ょうか。


008 為替の大波や何処へ?


埒が明く。

物事がはかどるありさまを言う。「らち」とは馬場の柵のこと。春日大社の祭礼に御輿のまわりに「らち」を作り、

翌朝今春大夫がそれをあけて祝詞を読むと、初めて一般人が祭りを見られる。



◆「為替の大波。

 米国は基軸通貨の特権をフルに生かし、過去100年、世界のマネーを仕切ってきた。
現存する為替レートの記録を200年さかのぼると、米ドルのある流れがわかる。米国は『財政赤字が増大すると3〜5割
ドル安』にする。財政赤字が増えたのは、1861年の南北戦争、1914年第一次世界大戦、1929年大恐慌、1939年第二
次世界大戦、1960年代のベトナム戦争、1980年代レーガノミクス(双子の赤字)。赤字が膨らむ度に3〜5割通貨を切
下げる法則に、この200年間例外はない。
 赤字の米国に何故ドル安が都合がいいのか。ポイントは、物の売買も、借金も全て基軸通貨のドルで決済できる。ドル
安となれば、米国内で輸入品価格が上昇、相対的に米国産製品が安くなるため、外国製品が敬遠され米国内産業が潤う。
更に特筆すべきは、それまでの海外から借金を米国が目減りさせられること。
 現在米国は、ITバブル崩壊、イラク戦など過去最大の財政赤字が見込まれており、今回もその赤字削減のため『米国内
製造業援助、借金踏み倒し』のドル切下げ政策に動くことは歴史が証明済み。実際2年程前からその波が顕著で、現在も大
きなドル安という流れの真っ只中にある。

◆「米貿易赤字過去最大」

 米貿易赤字が過去最大五千億ドルと更新中でGDPの5%を超えようしている。米財政の健全性への不安を増大させ、ドル
市場の一段の下落圧力に発展する危惧が高まっている。

米国経済の回復を国内生産だけで賄いきれず、借金して国外から商品、サービスを購入続けている。欧州、日本の景気回復
が遅れ米市場への依存度が高いことも赤字拡大の一因。 極大化した米国の双子の赤字の縮小に取り組まないとドル相場の
暴落の引き金になるとの懸念は大きくなりつつあり、米国内投資に比べ貯蓄が慢性的に過小なのも大きな問題。

◆「中国、日本等アジアマネーの外貨準備高も過去最大」

 中国の外貨準備高は四千億ドルで現在の厳格な外貨管理体制では、国内の通貨量の伸びを抑えることは不可能で、元の切り
下げを含めて柔軟な為替相場の形成をしないと「中国経済の過熱」、「将来の相場上昇を見越した投機資金流入」などが危惧
される。

 日本の今年の外為特会の資金調達枠は百兆円と上限が設定されているが、日本の外貨準備高も昨年五千億ドルであったもの
が今年は七千億ドルと過去最高に達しよう。うちどれだけが米国国債かは不明だが今年は八兆円を超える評価損が発生してい
るという。勿論ドル介入によりドル安が進めば、日米の金利差が逆転し損失は拡大しよう。 

 中国の元が引き上げられれば、日本や韓国、台湾などの市場介入してきたアジア通貨全体に上昇圧力が強まろう。介入によ
り自国通貨高を押さえて来ただけに人民元上昇を契機に投機筋のアジア通貨買いを仕掛けられる懸念がある。

◆「IMF体制の維持」 

 1945年、プレストンウッズ(IMF)体制がスタート、けっして順風満帆ではなかった。ヨーロッパ諸国はドル不足に
悩み、為替管理をせずに固定相場での自由化は不可能なため、『ヨーロッパ支払同盟』を設立、取引レベルは同盟国通貨を使
い、最終決済のみをドルで行い節約を図った。
 1960年頃から、主要国は通貨の交換性を回復し、IMF体制は一応機能した。IMF体制にはトリフィン教授提唱の『
トリフィンのジレンマ』と呼ばれる矛盾を内包。
 基軸通貨であるためには、
1、アメリカがドルを使い、他国がドルを受け取り、世界中にドルが十分供給されること。
2、ドルの供給増はアメリカの国際収支の赤字を増大させるが、ドルが基軸通貨として信認されるには、米国の国際収支が黒
字か、小額赤字の維持が不可欠。
 しかしこの矛盾の解消は困難で、ドルは信用低下し、交換性の維持が困難になる宿命に 晒されている。
 これは最近の、米国の双子の赤字によるドル売構図と同じで、ドル信認の不案定さは40年前も現在も同じ状態。
 その後、当面のドルの危機に対して1、アメリカからの資本流出規制、2、IMFの強 化、3、金の上昇圧力抑制、4、
為替市場でのドル売り圧力に対する操作等の対策が講じられた。これらの施策は一応の効果をあげ、ドルの信認は保たれIM
F体制の崩壊は免れた。
◆「魂を共有システムか?」
 IMF体制を教科書風に書けばすべてうまくことが運ばれているようだが、米国は日本の手を借りずとも、消費を抑制し、赤字
を削減し「強いドル」を自分の手で確保する実力は十分ある。しかし、大統領選挙、イラク、イラン、北朝鮮さらにはパレスチ
ナなどの雑音退治に相当のエネルギーが不可欠。現段階で金融の引き締め、経済成長の抑制政策はとれない。ドルの強弱にかか
わらず流入する資金を受け入れ、帳尻あわせは別途対応すれば良いという立場。
 欧州は戦後一貫して米国に輸出して稼いだドルは、自国通貨にて交換回収する立場。ドル回避を目的に創出したユーロあるい
は、統一通貨として位置つけているだけに、ユーロ高は誇り高く看過すべきと観念している。従って、ドルを本気で買い支える
気持ちなど微塵だにない。
 日本は輸出代金のドルを円高を嫌って「ドルの買い支え」てそのまま米国に貸し置いたまま回収の意志もない。フランスのよ
うに外貨準備の20〜30%を金で保有しておけば良かったとその時思っても後の祭り。国民の汗と涙の結晶をどうしてくれる! 


009 「新興工業地域を追い越した中国」


中国経済は、非効率な国有企業の改革に取り組みながら、開放経済体制下に進出した周辺新興工業地域をはじめとする先進国の
投資に支えられて発展してきたものである。
ここでは、躍進する中国経済が、遂に先行する工業地域に追いつき、抜き去ろうとする実態を数字で追ってみた。

中国本土と中国に隣接する新興工業地域と呼ばれる韓国・台湾・香港との経済力の変化を1995年と2002年の数値で評価すると、
中国本土と新興工業地域のGDPの比率は1995年に0.79であったものがその成長力の差により2002年には1.34と逆転してしまった。
WTOや今回のG7で指摘されている中国の固定レートの不公平を是正するべく、外貨交換レートを1995年の値に固定したが、その
比率は0.94となりほぼ肩を並べたことを示した。

2008年の北京オリンピックと2010年の上海万博に向けて国が総力を挙げて開発を進める中国本土は間違いなく、新興工業地域より
高いペースで成長を続け、その差をあけていくことになるだろう。

GDPの比較     単位:ドルは百万米ドル

地域(比較)
1995年のGDP年度(レート)
2002年のGDP
(ドル換算)
(ドル換算)
(1995年のドル換算)
(購買力平価)
中国本土(A)
700,218
1,237,139
*
*
中国本土(A')
*
*
1,226,118
5,989,000
中国本土(A'')
*
*
*
5,989,000
新興工業3地域(B)
(A/B)
888,780(0.79)
921,282(1.34)
*
*
新興工業3地域(B')
(A'/B')
*
*
1,305,126(0.34)
*
新興工業3地域(B'')
(A''/B'')
*
*
*
1,546,000(3.87)

 2002年のGDPを評価する時に、外貨交換レートの代わりに購買力平価を用いて同じく中国本土と周辺新興工業地域を比較すると、
中国本土は3.87倍という圧倒的な経済力を有していることがわかる。この数値は、同じく日本を(1.64倍)上回っており、米国の57%に
達する経済力に相当する。かって、低賃金労働力による競争力で外国貿易を伸ばした生産力は国内の大きな購買力にも的をしぼっている。
このような国際的な経済力の推移が、太平洋をはさんだ国際貿易構造にも変化をもたらすことになった。

購買力平価による中国・日本・米国のGDP

国名
2002年のGDP
中国
5.989 兆ドル
日本
3.651 兆ドル
米国
10.45 兆ドル
出典:CIA
===============================
注:基本的な経済統計はアジア開発銀行の資料に準拠したが、購買力平価の統計は米国中央情報局(CIA)の資料を参照した。

地域通貨による国(地域)別のGDP     (単位:10億地域通貨)

国(地域)名と通貨 1995年 2002年 年平均伸び率(%)
中国 − 元
5,848
10,240
8.3%
韓国 − ウオン
377,350
596,381
6.8%
台湾 − 台湾ドル
7,018
9,734
4.8%
香港 − 香港ドル
1,041
1,272
2.9%
出典:アジア開発銀行

購買力平価による国(地域)別のGDP        (単位:10億米ドル)

国(地域)名と通貨 2002年
中国
5,989.0
韓国
941.5
台湾
406.0
香港
198.5
出典:CIA


米ドル換算レート   (期間平均値)

国(地域)名と通貨
1995年 2002年
中国ー元
8.351
8.277
韓国ーウオン
771.300
1,251.100
台湾ー台湾ドル
26.486
34.575
香港ー香港ドル
7.736
7.799

出典:アジア開発銀行

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