010 国際比較:個人金融資産


太鼓判;まちがいなく保証されたことを、「太鼓判」という。保証行為を「太鼓判を押す」という。武田信玄の金の品質を保証する判からきたもの。信元が発行した甲州金の周囲には、武田家の版がいくつも押されそのありさまが、太鼓の皮を止める鋲に似ているので「太鼓判」と言われた。


日本の個人金融資産の特徴点
・総額、一人当たり残高ともG5諸国中第2位
・日本の個人は米国に比べ貯蓄好き(所得に占める金融資産の純取得額の割合が高い)
・安全資産中心の資産構成として安全資産重視のスタンスが近年強まっている
日本の個人金融資産は健全化か?


日本は現金・預金のウエイトが 5割を超えており、その比率は 5か国の中でも突出。一方、株式・出資金や投資信託といった資産は、いずれの国に比べても小さい。一般的に現金・預金はリスク、リターンの小さい資産(安全資産)、株式・出資金および投資信託はそれらが大きな資産(リスク資産)と考えられるので、日本の個人は、安全資産を好む傾向にあると言える。逆に米国は、対照的で、現金・預金は少なく、逆に株式・出資金や投資信託のウエイトがかなり高く、英国、ドイツは、日本と米国の中間と言える。
 ただ、統計上の差異もある。第 1は、各国で個人企業の扱いが異なり、いわゆる「個人企業」(個人商店の事業主など)と、「純粋な個人」(一般のサラリーマンや主婦など)が含まれ、日本では両者を 1つの部門とし、両者の出資関係は考慮していない。米国はそれぞれを別部門として両者の出資関係を明示的に捉え、日本の方法に比べて、株式・出資金の割合が高くなり、これを調整すると、株式・出資金の割合は34%→21%程度にまで低下する。英国、ドイツ、フランスでも個人企業の一部(会計上分離可能なもの)が企業部門に含まれるなど、日本とは異なった扱いをしています。


 第 2は、同じ資産でも、米国との比較において、リスクテイクの程度の差がさらに大きい。 具体的には、日本の個人金融資産には郵便貯金(現金・預金の一部、個人金融資産の16%)や簡易保険(保険・年金準備金の一部、同 8%)等国営の金融機関商品が多く含まれていますが、米国ではこうした性格(市場における価格変動リスクがなく、国が支払を保証)の商品は皆無である。

 また、年金資産に焦点をあてると、日本の企業年金(保険・年金準備金の一部、同 6%)の殆どは確定給付型年金(預貯金のように将来の受取額が事前に確定している年金)とみられるのに対して、米国は 401kプランに代表される確定拠出型年金(将来の受取額が運用成績によって変動する年金)が比較的高いウエイト(個人金融資産の 7%)を占め、これらの資産は株式やミューチュアルファンドといったリスク資産に多く運用されています(同 5%)。このため、日本の企業年金は(価格変動の影響を直接受けないという意味で)安全資産に近いが、米国ではそうではない。

近年の安全資産重視の強まりとその背景

 日本の個人が安全資産を重視する点に関しては、投資に関する情報量の不足、税制、取引コストが高いなどの指摘に加え、土地などの実物資産の保有ウエイトが高く、これをリスク資産と考え、リスク分散がはかられているといった議論もあります。
 最近10年間の変化に限ってみると、日本はリスク資産である株式などの比率の低下(19%→10%)とともに、実物資産の比率も低下( 160%→81%)しており、必ずしも総資産ベースでリスク分散を図っているような姿とはなっていない。むしろ、保有株式の資産価格自体の低下に加え、価格下落リスクを回避しようと取得を控えたり、売却を進めた結果、安全資産のウエイトが高まったものと思われます。


◆結びにかえて(四半期連続で減少)

 日本銀行が発表した2002年第2・四半期(4ム6月期)の資金循環(速報)によると、家計の金融資産残高は前年同期比1・6%減の1411兆6723億円と4・四半期連続で減少した。恐らく今年度は、1945年以来初めて家計金融資産がはじめて減少という前代未聞の現象が起きる。内容的には、株式、投資信託も大幅に減少した一方、現金・預金は過去最高を更新した。 来春のペイオフ全面凍結解除をにらんだ流動性預金への預金シフトが続いている。

 個人の金融資産は、 1国の資金フローの出発点であり、特にその資産構成が今後どう変化するかについては高い関心が寄せられています。資金循環統計は非常に有用と考えられますが、内容が表面的で国民の資産が健全であるか等バブルの影響をどの程度受けているかがまったく開示されていない。今後、表面的な計数の変化に止まらず、より注意深くみていくことが必要!


011 日銀の巨額円売り介入に米国が牽制!真相は?



家鶏を厭い野雉を愛す 

出典晋中興書:家にある良いものを嫌って、外のつまらないものを好むの喩え。


もともと米国は原理原則の国で、自由経済のボスとして価格は市場が決めるというのが基本。そんな中で
日銀介入に対して批判が高まった理由は?
第一に大統領選挙に向け米産業界に配慮が必要ということ。 第二に米政権が昨年の日本の衆議院選挙前に円高圧力をかけず、小泉首相をサポートしたのだから、
今回大統領選挙前は、多少の円高には甘んじて去年の借りを 返せということ。
第三に大統領選挙まで日本の米国債投資が継続され、債券市場の下落圧力緩和の 目途がついたこと。
 この3点が米国が日本に介入抑制を求める理由だと『日経金融新聞』は述べています。
 第3の理由について詳しく説明してある。
それは昨年の日銀の巨額介入に、米国債入札の半分を日銀が購入したことにクレームがついたため、日本は
月額の米国債購入額を3兆円(!)程度に抑えていた。残りのドル資金はドル預託の形で日本と外資の金融
機関に預けていたが、投資効率が悪く民間金融機関の信用リスクも抱え込みジレンマに陥った。
 このため預託資金を取り崩して米国債を買わざるを得ないので、毎月2兆円取り崩しても大統領選のある
11月までの8ヶ月間の日本からの赤字穴埋め資金を確保したために米国は冷淡になったというのが、この
記事の論点でした。

大統領選が近づけば共和、民主の勢力が拮抗する中西部各州取り込みのため、その地域にある自動車部品
メーカーの声が米通貨政策を動かしやすくするとも述べています。 また漫画『ゴルゴ13』に日銀の巨額
ドル買い介入がでたり、いままでは無関心であった刊誌やタブロイド新聞などに介入批判記事が載ったりと、
日米双方で介入批判が噴出しています。

そもそも諸外国では通貨当局がこれほど巨額の介入をすることに懐疑的な上に、資金の使用にチェックが
かかるために、先進国通貨で問題の起こることはなかったが、世界第二の経済大国が自国通貨を円安に無理
やり持っていくことは、理論的にも心理的にも長続きはしない。また、輸出主導の日本経済では、経常黒字
は円高圧力になること。 また自国通貨安維持は輸出業者に対する補助金にも等しくなるため、内外から批
判がおこる。
経常黒字国から経常赤字国への資金還流がなければ、世界経済は成り立たない。日本や中国から米国へ資
金が還流することは避けられないというか健全なことです。しかし民間ベースのリスク許容度が減りその穴
埋めとして政府がその役目を担わざるを得ないのがいまの日米の状況です。日本が経常黒字を続け、米国が
常赤字を続けていく限りこの構図からは逃れられない。
米国の本音はともかく、早晩、中国元の切り上げにともなって円も大幅修正を余儀なくされる時期が遠か

ず到来するのか????


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